ショートショートを書いてみたい!
長編小説はやる気が続かない……
どうも、おきなです。
小説を書きたいと思うけど、なかなか続かない……
そんな経験、皆さんにもありませんか。
そんな時は――
ショートショートがオススメです!
今回はショートショートの書き方について参考書を紹介しながらまとめます。
本記事を読んでいただくと以下のことが分かります。
- 本記事でわかること
ショートショートの書き方、コツ、ヒント!
小説を書きたい、創作活動で悩んでいる、そんな方々はぜひ読んでみてください。
参考文献の紹介
小さな物語のつくり方 ショートショート創作技術塾・星派道場
(著 江坂 遊 樹立社)
この本はショートショートの書き方を表や実例を使いながらに具体的に教えてくれる一冊です。
しかし、文章は師匠と弟子という関係で展開されているので堅苦しくはありません。
師匠がギャグを交えながらユーモラスに教えてくれるので、肩の力を抜いて読むことができます。
つまり、実用性と面白さの両方を兼ね備えた本なのです!
ショートショートについての指南を受けたい!という方はぜひ読んでみてください。
ショートショートの書き方
『小さな物語のつくり方』のポイントについて自分なりにまとめて紹介します。
この本にはショートショートを書くためのヒントがたくさんあります。
このブログを読んだうえで、より細かく知りたい人は本書を読んでみてください!
3つの創作プロセス
まずはショートショートの創作における3つのプロセスについて解説します。
この本に紹介されている3つのプロセスとは
★キラキラ光って
★メラメラ燃えて
★パッと爆ぜる
です!
……これだけでは何のことか分からないですよね。
本書に習って説明します。
この3つのプロセスは物語の構成パターンでよく言われる『序・破・急』に当てはめることができます。
★キラキラ光って=序
★メラメラ燃えて=破
★パッと爆ぜる=急
さらに、本書の中ではより具体的に各プロセスの役割が記述されています。
★序・キラキラ光って=光る素材を見つける。
小さな物語のつくり方 ショートショート創作技術塾・星派道場 P40、41、42
★破・メラメラ燃えて=ビジュアルシーンを組み立てる。
★急・パッと爆ぜる=どんでん返しでサゲ(オチ)をつける。
各プロセスの役割が明確になったところで、ここからは各プロセスを掘り下げてについて紹介します。
- POINT
創作のプロセスは★序・キラキラ光って★破・メラメラ燃えて★急・パッと爆ぜる
序破急の【序】の解説
序破急の序にあたる『キラキラ光って』を一言で言えば
単語を組み合わせて、不思議な言葉をつくりだす、です。
Aという言葉とBという言葉の間にある共通点、類似項目を見つけだし、
その言葉たちをくっつけます。
そうすることで、これまでは無かった新たな不思議な言葉が生まれるのです。
(例…木×性格が悪い=性根の腐った木)
本書の著者である江坂遊さんの師匠、ショートショートの神様、星新一さんも
「アイデアは異質なものの組合せから生まれる」と仰っていたそうです。
単語同士の共通点や類似点を探す作業は不思議な言葉を生み出すだけではありません。
その過程でストーリーやオチについてもヒントを見つけることができます。
ショートショートを書こう!と思ったら、まずは不思議な言葉をつくってみましょう。
- POINT
まずは単語を組み合わせて、不思議な言葉を作り出す!
序破急の【破】の解説
次は破の部分である『メラメラ燃えて』について解説します
『メラメラ燃えて』とは序でつくりだした不思議な言葉を掘り下げることです。
序で生みだした不思議な言葉を様々な視点で観察し、物語のヒントを見つけましょう。
不思議な言葉の観察方法としては機能、歴史、比較の三要素から検討します。
機能とは、そのワードや現象が人や社会にどんな影響を与えるのかを予測すること。
歴史とは、そのワードや現象の時間的変化がもたらす結果を考えること。
比較とは、そのワードや現象の変化変容が似ているもの似ていないものを見つけて要素比較していくこと。
小さな物語のつくり方 ショートショート創作技術塾・星派道場 P92
具体的に序の章で例としてつくった『性根の腐った木』を使って考えてみましょう。
■機能面からの掘り下げ
木及び植物がもっている機能として光合成があります。
『もし、世界中の木が光合成をしなかったら、どうなるのだろう』
といった感じで『性根の腐った木』という言葉を振り下げていきます。
酸素が薄くなった世界など、物語が展開していきそうですね。
■歴史面からの掘り下げ
『ずっと木の性格が悪いままだったら、どうなるだろう』
という観点で『性根の腐った木』を見ていきます。
きっと、人類との関係は険悪になるでしょう。
もしかしたら、人類と木が戦争したりもするかもしれません。
もしくは周りからの援助が無くなることで文字通り腐ってしまうかもしれませんね。
歴史面から掘り下げても、物語が発展していきそうです。
■比較面からの掘り下げ
『性格の悪い木と対となる存在って何だろう』
と考えてみましょう。
たとえば『性格の良い空気』なんてどうでしょうか。
光合成をしないことで酸素を薄くする木々に対して、
性格の良い空気は酸素を供給してくれるかもしれません。
対となる存在によっても物語は広がっていきますね。
- POINT
不思議な言葉を機能・歴史・比較の観点から掘り下げてみる!
序破急の【急】の解説
最後に急である『パッと爆ぜる』について解説します。
パッと爆ぜるを端的に言うとオチをつけるということです。
この章では物語の印象を大きく左右するオチのつけ方について解説されています。
オチをつけるというと難しく聞こえますが、そんな時に役立つ知識を授けてくれるのです。
それは慣用句を使ってオチをつける、です。
四字熟語や故事成語、ことわざなどを使ってオチを作るのです。
個人的にこのオチの作り方はショートショートにとても向いていると思います。
理由はショートショートがとても短い物語だからです。
ショートショートでは物語や背景を細かく説明している余裕はありません。
不思議な言葉で興味を引きつけてオチをつける、という流れの中で、
みんなが知っている慣用句を使うことで少ない文字数でも伝わるオチになります。
そして、慣用句を使うことでショートショートに奥行きを足すこともできる思います。
みなさんもぜひ慣用句を使ったオチに挑戦してみてください。
- POINT
四字熟語や故事成語、ことわざといった慣用句を使ってオチを作る!
オススメのショートショート作品
さて、ここまでショートショートの書き方についてまとめてきました。
しかし、解説だけではイマイチ分かりにくくい部分もあるかと思います。
そこで、オススメのショートショートについても紹介させていただきます。
それは『ボッコちゃん』(著 星新一、新潮社)です。
序の章でも紹介した星新一さんのショートショート集になります。
ショートショートの中でも割と短い物語が50編も収録されています。
その中でも私は『生活維持省』という話がとても印象に残っています。
みなさんもぜひ読んでみてください。
【まとめ】
今回はショートショートの書き方について、
江坂遊さんの『小さいな物語のつくり方』を参考にまとめてみました。
本書ではショートショートのつくり方を
『キラキラ光って、メラメラ燃えて、パッと爆ぜる』
という序破急の構造でつくることがユーモラスに紹介されています。
また、本記事では紹介しきれなかった箇所も多くあります。
より詳細を知りたいという方はぜひ本書を手に取ってみてください。
以前に小説の書き方本、ショートショートの書き方本についてまとめた記事もあります。
よろしければこちらも合わせて読んでみてください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
皆さんの創作活動を少しでも手伝えれば幸いです。